空の翡翠
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誰かから誰かへ2
あなたが私の元へ現れた時、私は全てを悟った。
全身を駆け抜ける哀憐の感情。
懐かしい記憶と、優しい後悔。
私はあどけない、何も分かっていない無知な君の頬にキスをした。
きつくあなたの手を結んで、二度と離さないと天へ誓った。
それが例え許されないとしても、私はあなたが愛おしくてしょうがなかった。
なぜならあなたはあの子に似ているから。
容姿や性格が似ているわけじゃない。
ただ、私には一目見た時からあなたがあの子に見えた。
――私の弱さで失ってしまった、哀れで優しいあの子。
清廉で純潔なあなたは私の目にはあの子と同じに見える。
だから、手放せなくって。
愛しくって。
こんな私のエゴであなたをここまで引き込んでしまった。
私の過去の後悔を、未来へ突き進むあなたを躓かせてしまった。
これは私の許されない罪。
ごめんなさい。
でも、これだけは伝えたいのです。
あなたがいてくれて、よかった。
いつか滅びる日が来ようとも、私は君の事を忘れられません。
君を想う事はどんな感情よりも勝り、どんな冷たい感情も打ち砕く。
悲しみ、絶望、悲愴、憎悪、悪意、憎しみ。
そのどんな感情も、君への想いには叶いません。
君との思い出は、闇をも消し去る。
どんな剣よりも、私の心強い味方となってくれるのです。
だから……。
過去形を使ってこう記すのは、胸の痛む思いなのですが、どうか聞いてください。
天国で過ごす君へ。
楽しかったです。嬉しかったです。誇らしかったです。愛しかったです。
あの日々を、今でも忘れられません。
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