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首吊りの連鎖

 
あんたは言った
物事に根拠なんてない、と
今に分かったよ
世の中ぜんぶ、無意味だよ

優しい女の子がいたんだ
俺の彼女でさ
人の気持ちの分かる子だった
だからかな
人一倍傷つきやすくて
一人でなんでも抱え込んじゃって

ある時彼女が暗い顔してたからさ
どうしたの? って聞いたんだ
そしたら彼女
「お母さんが死んだの」
って泣きながら小さな声で言って
俺はなんて言えばいいのか分からなかった

あんたならなんて言った?
「俺がいるから、泣くな」とでも言った?
あんたはそんな事言わないよな
あんたならきっと、死んじまったから
よくわからねぇーけど
何も言わなかったんじゃねぇの?
面倒は御免のあんただ
何も言わずに、ただ彼女の肩を抱いてあげて
そうすると思うよ、俺は

まあ、あんたがどうするかなんてどうでもいいか
でな、俺は彼女に何も言えなかった
それから日が経つ事に彼女、やつれててさ
だんだん声もかけずらくなって
彼女との縁は、切れたんだ

なんで、気づいてあげられなかったんだろうな
彼女があんなにも思い悩んでいる事に
どうして早く気づいてあげる事ができなかったんだろう
ああ、それはきっと俺の怠惰だな
俺のせいだ

だから彼女は首を吊って自殺した
誰からも心配されず相談相手もいないまま
一人寂しく死んでいったんだ

ああ、先生?
あんたなら今の俺になんて言葉をかけるんだ?
「馬鹿野郎!」か?
それとも「仕方ない」か?
どっちなんだろうな……。

ああ、先生
先生
先生がいてくれれば、俺はもう少しまともに生きれたはずなのに
先生は、自殺しちまったから
もういない
だから俺はただ一人なんだ
一人ぼっち

一人ぼっちで首を吊るのさ

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