空の翡翠

■世界を
「もしも、世界中が平和でみんなが笑い合って過ごせていたらね、それは本当に素晴らしい世界だと思うんだ。……だけど、現実はそうじゃない。どこの国でも泣いている人がいる。この世の中の理不尽さ、残忍さ、そして無感情に泣いている人たちがたくさんいるんだ。目には見えなくても、心で感じてみるんだ。そうすれば聞こえてくる。助けて、助けて、ってね。でも僕たちだけじゃあ、その人たちを救ってあげる事なんてできない。じゃあ何ができる？ そう考えてみる事が一番大切なんだよ。……僕たちと一緒に、少しでも世界をよくしてみないかい？」


■ありがとう
「私は……あなたの痛み、苦しみなんて分かろうとしても分かれないし、無力な存在だけども。……これだけは言えると思うの。あなたが生まれてきてくれて本当によかった、って。……そう言うと、少し恥かしいけど、でも私はそう思うんだ。……あなたの事が大好きだからね。だから、あなたが生まれてきてくれて、そして私と出会ってくれて、今ここに立っていられる事に、ありがとう」


■笑って
「優しく笑って。私は（僕は）君の笑っている姿が見たいから、だからね？ 優しく、そして楽しく笑ってみせてよ。最初はぎこちなくてもいいんだ、いつか心から笑えるようになれば。だから……まずは私と一緒に、笑う努力をしてみようか。ほら、こんな風に笑って。……くすくす、今の君の顔、とても幸せに笑ってるよ。そういう笑顔が見たかったんだ」

■青い空
「見てごらんよ、あの青い空をっ！ あんなに綺麗で美しい。そして太陽は光り輝いて、眩しいっ！ こんな爽快な日に、君はそうやって膝を抱えて部屋に閉じこもっているのかい？ 心をずっと閉ざしているつもりなのかい？ ……ま、君がいいならそれでもいいんだけどさっ。でも、これだけは聞いてよ。……君が心を閉ざしても、空はいつだって青いって事を。それだけは、時々でいいから思い出してほしいかなっ！」


■立ち向かう
「私は君と一緒にこの先の未来が見てみたい！ 君と一緒に、この馬鹿みたいな運命を打ち砕きたいんだ。……悲しくて辛い運命に、歯向かう力は私一人じゃないから、君と一緒に立ち向かっていきたいんだ。……だめだめな私だけどさ、君は手を貸してくれるかい？ ははっ……ちょっと照れるけど……お願い、私に力を貸して」

[17回]